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ポルトガル便り・30便  オリャウンの冬

  ポルトガルの中でもここアルガルベ地方は最も雨量の少ない地方ではありますが、今年は特に雨が降らずいつまでも暖かいので、土地の人は「今年の冬は変だ」と会う人ごとに言います。
制服のおじさん
やはり地球温暖化の影響なのでしょうか。それでも朝晩は少し寒い日もあります。暖かさに慣れているアルガルベの人は毛穴が開きすぎているのか、一寸寒いと大げさに反応しオーバーを着たりダウンジャケットを着たりしています。ところが寒い国から太陽を浴びにオリャウンに来ている人は、少々寒い日でも「こんなの寒さのうちに入らないよ」と言わぬばかりに、半袖半ズボン姿で波止場のお店でお茶を飲んでいます。その落差が大きく面白い光景です。
  波止場といわず街角のベンチで、相変わらず男性達のおしゃべりが行われています。季節と共にその人達の服装が変わりました。ハンチング姿は以前と同じなのですが、シマシマで綿の入った上着姿の人が多くなりました。この姿を私達はオリャウンの男の制服と呼んでいます。夫もリスボン(パレーディ)に住んでいる時には「この上着は軽くて暖かい」と愛用していたのですが、ここオリャウンでは着ている人が余りにも多く、さりとて制服組に入る勇気も資格も無いようで、日本で着る事にして一時帰国の時に持ち帰りました。
  最近はオリャウンも冬の澄んだ空になりました。晴れた日が多いので奇麗な夕日を見ることが出来ます。
オリャウンの夕日
ところが雲ひとつ無い空では、かえって奇麗な夕焼けにはなりません。太陽が沈む所だけ雲が無く、他のところには雲がある状態が残影も美しく、刻一刻と色の変化を見る事もできて奇麗です。 アベイロの塩も有名ですが(ポルトガル便り・第21便)、アルガルベ地方の塩も有名で美味しいのです。我が街オリャウンの波止場の西のはずれにも塩田があり、夏には塩ができます。波止場近くで見る夕日も広がりが有り空の高さを感じ美しいのですが、塩田の近くで見る夕焼けは夕日が塩田に反射して特別に奇麗です。最近は毎日のようにその塩田へ向かって散歩に出かけ、二人共すっかり夕焼け評論家に変身し勝手な感想を言い合うようになりました。
  ある日いつもの時間より早く散歩に出かけたので、日頃のコースよりも先まで足を延ばしました。
空飛ぶフラミンゴ
塩の山とフラミンゴ












なんとそこに野生のフラミンゴを見つけたのです。私達が近づくと歩く方向を変えいっせいに遠ざかります。又別の日に私が居る場所から右に遠ざかるフラミンゴに対して、他のあぜ道を使って反対側から夫が近づくと、フラミンゴは一斉に方向転換して左に向けて歩き始めました。千葉県の鴨川でフラミンゴがワルツの曲に合わせて踊る(動く)ショーを見た事がありますが、この習性を利用したものかと納得。
野生のコウノトリ
その後一斉に飛び立って行ってしまいました。その飛ぶ姿は、長い首と長い足をもてあますように少しヨタヨタと言った感じです。夕日に向かって飛び立つフラミンゴの群れのシルエットはとても美しいものでした。あまりフラミンゴを刺激しないように気をつけながら、フラミンゴと夕日の観察散歩が続きそうです。
  オリャウンに住みついているコウノトリも春の出産に向けての準備の為なのか、煙突の上の巣に二羽揃って居る姿をよく見かけるようになりました。 春には卵を温め、その後巣の上に産毛の可愛い頭がちょこんと見えるようになり、やがて親と同じ姿になってゆきます。我が家のテラスからコウノトリの巣を三ヶ所見る事が出来ますので、来年はこれも観察を続けてみたいと思います。 2007年 12月 【 孝江 】

 
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