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ポルトガル便り・2便  【カレイの三時間干のお話し】

  やって来ましたポルトガル。何とも遠くへ来たもんだ。日本を出発する前も又ポルトガルへ着いてからも色々とやらねばならぬ事が山積みで、なんとも慌しい毎日を過ごして来ましたが、こうして窓から見える海と教会の鐘の音、そして美しい雲の流れを見るにつけやっぱり来て良かったと実感する毎日です。多くの方々のご協力と援助のお蔭で実行できた事を深く感謝しています。オブリガーダ(有り難うございます)!
  今までは仕事に・子育てにそしてその他諸々の事があってお互いに忙しい生活を送っていた二人が、今度は本当に向かい合いじっくりと付き合う生活が始まりました。“えーっ。こんな人だった!”とお互いに言い合いながら・・・・・・。更に良く判りあえたらポルトガル生活もより充実したものになるでしょう。何はともあれじっくり付き合える相手が居る事は幸せな事です。

  日本からのお客様が見えた時、“これぞポルトガルのワイン。ここでしか飲めない逸品を見つける為、ほぼ毎晩ワインの試飲に精を出す二人です。今は特にビーニョベルデイというワインが気に入っています。ビーニョ(ワイン)ベルデイ(緑色)という意味でアルコール度が7−9%と普通よりやや低く気泡性があり、まるでシャンパンを飲んでいるみたいに口当たりの軽やかなワインです。若いワインなので運送には弱く、ポルトガルでしかこの味はあじあえないと言われています。値段は一本300−600円程度と手頃です。値段が気に入って、いやいや美味しいので二人で毎晩ボトル(750ml)を空けてしまいます。先般ドイツで開かれたワイン展でポルトガルワインが優秀な成績をおさめたと聞きますが、目下我が家はビーニョベルデイのみを研究中というわけです。

  日本は今年もうだるような暑さとか聞きますが、こちらは日陰に入ればとても涼しく汗をかくことが殆どありません。ハンカチが不要な国だと先輩の方々は言っています。我が家にクーラーは有りませんし必要だとも感じていません。それほど湿気がなく乾燥しているわけです。夫のお気に入りの市場で先日やなぎ鰈を見つけました。並んでいるのを全部買占めベランダで一夜干を始めました。(鰈は1KG1200円・鰯は1KG600円です。市場は午後一時迄なので、売れ残りの鰈が全部さばけたおばさんは、それ以後市場に行くたびに愛想良く迎えてくれます。)こちらの歩道は石灰岩のモザイク模様で出来ていて綺麗なのですがあちらにもこちらにも犬の糞があり、風景に見とれてばかりはいられずヒョイヒョイと避けて歩かなければなりません。この状況の中でハエが鰈に来たら大変だと見張りながら干す事3時間。見事な干物が出来上がりました。

  また先日海岸に散歩に行き岩場で小休止した時、岩の穴に薄い氷のような物が張り付いていて太陽に照らされてキラキラととても綺麗。太陽のもとで氷でもあるまいし何だろうと板状の物を手に取って舐めてみたらなんとミネラル100%の天然の塩。道理でポルトガルの塩は美味しいわけだ。(何故だかそういう結論になりました。本当にポルトガルのものは美味しい!)塩分が濃いのか?それとも乾燥が激しいのか?と話した事を思い出しました。一夜干ならぬ三時間干の干物といい、矢張り空気が予想以上に乾燥しているから・・・。まてよ。と言う事は・・・と慌てゝ鏡で我が顔を見ると、四八=32ならぬ・・・・。 急いで化粧水を顔に叩きつける私でした。ポルトガルに来られる時、特に女性の方は日焼け止めクリームと化粧水をたっぷりご持参あれ。

鰈の干物はとても美味しいものでした。では又。アテローゴ(さようなら)。( 孝 江 )   2002年 8月

 
       
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