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ポルトガル短信・その5 アソーレスを訪ねて 2013年7月

 アソーレス諸島は、リスボンから西へ約1,500km、アメリカ大陸との間の大西洋に浮かぶ9つの小さな島です。今回はその中のサンミゲル島を4泊5日の日程で訪ねてきました。自然がたっぷりあり、緑が美しい素敵な島でした。(アソーレスからアメリカ大陸迄は、まだ3,500kmほど有ります。)


 15世紀・大航海時代と呼ばれ、ポルトガルが最も輝いていた 時代に、ポルトガル人が最初にこの島に到着したのは1432年だと言われていますから、コロンブスがアメリカ大陸に到着する60年も前の出来事です。出発前に、私はコロンブスもこの島を経由してアメリカ大陸に行ったのかと想像していましたが、地中海を出たコロンブスは、強い潮流の影響で直ぐに南下し、モロッコの西・カナリア諸島のあたりから西に転じ、中米のキューバに到着したようです。


 アソーレスは火山によって出来た島で、沢山の噴火口跡が湖になっています。当然地熱が豊富なので地熱発電に対する期待が大きく、同じ火山国である日本の技術に期待が寄せられています。現在、三菱重工が中心になって、2つのパイロット発電所が稼働中でした。そして南北に約20km・ ポルトガル人の到着記念碑 東西に約60kmのこの小さな島の中央を、六甲山ぐらいの高さの山脈が東西に走っています。その山の上から見る、緑に囲まれた湖とその脇にある小さな町の、赤い屋根と白い壁とが点在する景色は、おとぎの世界のように静かで綺麗でした。大きなアジサイが満開で美しさを誇り、牛がのんびりと草を食んでいる光景は、日頃静かなポルトガルの田舎に住んでいる私達にとっても、「まだこんな世界が有るのだ」と思わせてくれる別世界です。




 今回は単独の旅行ではなく、旅行会社が主催するツアーに参加しました。合計で38人の参加者が5日間行動を共にしたので、新しくポルトガルの友人も出来たし、彼等の生活の仕方をあらためて知る良い機会となり、楽しく又学ぶことの多い旅行でした。私達以外は皆ポルトガル人でしたが、或る夕食で同じテーブルについたのが、現在はオーストラリアに住むコスタ夫妻とベネズエラに住むベノーネ夫妻という組み合わせとなり、国際色豊かなテーブルだと大いに盛り上がりました。コスタさんは若い時に3年の兵役期間をモザンビクで過ごし、26歳でリスボンに戻ったが職が全く見つからず、思い切ってオーストラリアに渡り、それ以来47年間をそこで過ごしているそうです。ベノーネさんは9歳の時に父親に連れられてベネズエラに渡り、約60年を彼の地に住み、2年に1回・数ヶ月をポルトガルで過ごしていると話してくれました。ポルトガル語の先生をしているコスタ夫人のエストレラさんによれば、ベネズエラの小学校では中国語をとても熱心に教えているとの事で、ここでも中国の存在感を強く感じさせられました。  (続く)2013年7月       【 征 二 】

 
           
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