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ポルトガル短信・その3 大家さんの家族 2013年6月

 今回の滞在も、去年までお借りしていたマヌエルさんの借家です。15ヵ月ぶりの再会です。前回はマヌエル一家にとって、日本人を見るのも接するのも初めてとあって戸惑っている様子でしたが、 今回は再会を楽しみに待っていてくれました。奥さんのアルビーナさんは、家を私達がすぐに使える状態にしていてくれました。冷蔵庫の中には、水や彼女手作りのジャムが入っていましたし、 玄関には生花まで飾ってありました。私達が日本に帰国する時に、日頃の自分のずぼらは棚上げにして、“立つ鳥は跡を濁さず・日本人の恥じにはなるまい”との心境で、 夫に「いい加減にしろよ」といつ言われるかと思いながら、掃除を頑張りました。アルビーナさんに「綺麗に使ってくれたのね」と言わせた結果だと、夫の顔を見ながらニンマリ。


 ご夫妻のお子さん二人はそれぞれに家庭を持ち、独立しています。別棟にアルビーナさんのお父さん・94歳が住んでいます。「自分で何でもして、私に手助けをさせないのよ。」と彼女が言いますが、今も鍬を持ち農作業をしています。家中の皆さんが働き者です。


 完全な自給自足とまではゆかないものの、彼等はそれに近い生活をしています。自分で作れる範囲の野菜果物は作っています。たわわに実っているレモンは、必要な時に勝手に取って良いよと言われているので、ビタミンCたっぷリを味あわせて貰っています。何の目的かは判りませんが、アヒルまで飼っています。鶏の鳴き声が「コケコーロー」と私には聞こえます。



 去年までは、仕事を持っている娘さんに代わってアルビーナさんが、お孫さん二人の世話をしていました。今年はマティルダちゃんも小学生に、ローレンソ君も保育園に行くようになり、土曜・日曜にしか姿を見せません。ハイハイしていたローレンソ君がお姉ちゃんの後についてニコニコと走り回っている姿が何とも可愛く微笑ましく、私達まで幸せな気持ちにさせて貰っています。



*前号で見て頂いた野の花々も、お役目を終わりドライフラワーになり、刈り取られて飼料になるのを待っています。ポルトガルの野は、夏は茶色・冬は雨が降るので緑です


*ジャカランダの花が満開です。イチジク・葡萄・オリーブが小さな実をつけています。これから先の散歩が楽しみです。(放置された木が多いので、木に実を付けたまま干しイチジクになっています。瑞々しいうちに食べてあげなければ・・・。)

征二は合唱団のコンサートが六月に2日間続けてあり、練習とメンバーとの交流に忙しくしています。 孝江は2ヶ月続いたマカオの個展が終わり、こちらでのグループ展と秋の岡山での個展の準備に入っています。                 


                                                 【 孝江 】2013年6月
 
           
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